無法者

同僚との無駄話。
明け方、仕事に出かけるルームメイトに、
自分はまだ寝ている時間なんだから静かにしてほしいと、
キッチン風の言い回しで言ったところ、
それ以来、ルームメイトは、何をするにも、
差し足抜き足忍び足で、ひっそりと生活しているらしい。
「おまえなんてひどいやつなんだ、きっとルームメイトは、
すっかり落ち込んでもう仕事やめちゃうか死んじゃうかもしれないぜ」
って言ったら、同僚が答えるには、
「キッチンの冗談や言い回しは乱暴すぎるんだよね」だと。
ぜったい、ちょうきつくひどい言葉を使ったに決まっているんだけど、
別にそれでぼくも何とも思わないので、本当に、
言葉遣いのなっていないぼくのような人間には、
この仕事って気楽でいいわーと思った。
言葉自体が乱暴でも、そんなに深い意味はない。
キッチンでの仕事の勢いには、丁寧な言い回しは、
ほとんど合わないので、どうしても、乱暴な言葉になって、
それが染み付いてしまうと、抜けなくなっちゃうのです。
もちろん、そういう言葉を使わないでいることも可能だし、
本来は、それくらい、紳士淑女として過ごすべきなのだろうけど、
くだらない冗談にバカな言葉とアホの動きで、
気取らないで過ごすことは、仕事のきつさを和らげてくれる。
そして、みんなそれでいて、すごく神経質だったり、
寂しがりやだったりするので、楽しいです。
うわっつらの付き合いよりも、よっぽど、生々しい。
ぼくらはみんな生きているのだから、生々しくあってもいいじゃないか。
誰が、そうしちゃいけないって言ったんだ。
まあ、でも、普通の人と接するには、細心の注意を払わなくては。